不快は快によって相殺できない

人は、時に、嫌なことがあると、良い出来事や経験をすることで、嫌な気持ちを帳消しにしようとすることがあります。
このような気持ちはとても理解できる気持ちです。
しかし、快と不快は、実は、異質なものであるために、相殺することはできません。
この誤解は、快と不快が反対語のように映ることから起こるのでしょう。
実際は、『快』の反対は『楽』、そして、『不快』の反対も『楽』なのです。
ですから、快と不快のどちらの感覚も、限界以上に蓄積される前に、排出しなければ、自分でコントロールできない状況に陥ってしまう恐れがあります。
快の感覚は、それを放出できる『喜ぶ』という方法で。
不快の感覚は、それを放出できる『泣く』という方法で。
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