Lesson 6 話して楽になる為に

- 話せば楽になる
- 泣けば楽になる
ということは、Lesson 3 心の苦しさを解決する方法で説明しました。
ここでは、それを補足するような説明をいくつかしたいと思います。
『愚痴』と『相談』の違いについて
何か嫌な出来事があって、それを誰かに話すとき、焦点となることが2つあります。
- 出来事や相手や自分に関する客観的に理解できること(事実や評価・評論・批判など)
- 自分の感情(嬉しい、悲しい、苦しい、さびしい、つらい・・・など)
この2番目の『自分の感情』以外のことを話すことが『愚痴』で、『自分の感情』をきちんと話の中心に据えて話すことを『相談』と理解できると考えています。
『自分の感情』以外のことをいくら話しても、気持ちは少しは楽になるかもしれませんが、スッキリとして清々しい状態になることは稀です。
話す人は、なかなかスッキリしないので、同じような話を延々と繰り返してしまいますし、それを聞かされる人は、うんざりして話が聞けなくなってしまいます。
逆に、感情に焦点を当てて話すと、相手はあれこれと解決方法を考える必要が無くなり、相手の話を納得しながら楽に話を聴けるようになります。
また、話している方も、そんな相手に感情を話しているうちに、気持ちをスッキリとしてきます。
悲しいことは悲しそうに、嬉しいことは嬉しそうに
心の苦しさを抱える人は、次のような話し方の傾向があることが多いです。
- 悲しいことを何でもなさそうに話す
- 嬉しいことをつまらなそうに話す
このような話し方をしていては、自分の内にある感情を排出することができません。
- 悲しいことは悲しそうに
- 嬉しいことは嬉しそうに
そうすれば、必要な時には、泣こうとしなくても自然に涙も出てきます。
そして、気持ちはスッキリするのです。
分かってくれない人に分かってもらうことではなく、分かってくれる人に分かってもらうこと
心が苦しくなってしまっている人は、「身近な人が自分のことを理解してくれなかった」という経験をしていることが多く、その反動で、「自分のことを分かってくれない人に、何とかして、自分のことを分かってもらおう」とするところに意識が向いていることが多いです。
しかし、ざっくり言うと、次のように言うことが出来ます。
- 分かってくれる人は、分かってくれる
- 分かってくれない人は、分かってくれない
そして、次のどちらが分かってもらえる確率が高いかを考えてみて下さい。
- 分かってくれない人に、あれこれと試行錯誤を繰り返して、分かってもらおうとする
- 色々な人の中から分かってくれる人を探し出して、分かってもらおうとする
表現が悪いですが、分からず屋に分かってもらおうと努力するよりも、分かってくれるを探し出そうとする努力の方が随分労力が少なくて済むのです。
そして、相手が誰であれ、分かってもらえたときに心に流れ込む暖かさは、同じなのです。
人にこだわるのではなく、『分かってもらう』ということにこだわって下さい。
そして、早く、分かってくれる人を見つけ出して下さい。
補足
一人に全てを分かってもらおうとするのは無理
「自分のことを分かってもらいたい」ということに意識が集中している人は、それが実現できる可能性のある人として『こだわっていることの全てが完全に一致する人』を求めようとしてしまいがちになります。
それとは、別の対象者がいるということを覚えておいて下さい。
- そのことに対して、特にこだわりの無い人
人は、自分のこだわりの無い部分については、他人のことを案外とあっさりと受け入れてしまうものです。
確率論的に、同じことに同じこだわりを持つ人を探すよりも、こだわりの無い人の方を探す方が、巡り合える可能性は高いと思います。
そして、
- 同じこだわりを共有できる人でも、別のところでは相反するこだわりを持っている
- あるこだわりには大きな相違がある人でも、それ以外には殆どこだわっていない
- あるこだわりには大きな相違がある人でも、別のところでは、共有できるこだわりを持っている
などというのは普通のことです。
まとめると、それぞれの人の中に、自分にとって楽な部分を見つけ、その部分と付き合うようにすると良いと言えるのだろうと思います。
分かってもらうことにこだわり過ぎると傷つけ合うことになってしまう
理解してもらえない何かがあるとき、それを理解しない相手に理解してもらうためには、旨く説明するというよりは、相手が変わらなければそれは実現できません。
しばしば言われることですが、相手が変わることを望まなければ相手が変わることはありません。
そして、普通の生活の中では、人は変わらないことを望んでいます。
ですから、数回分かってもらうようにチャレンジしても分かってもらえない時は、相手が「生き方を変えてくれ」と言われているように受けとめてしまっていると考えても良いのだろうと思います。
相手の心の問題に触れてしまっているということです。
そんなところでも、なお理解を求めてしまうと、お互いに傷つけあうことはあっても、理解しあえることはありません。
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親子関係、夫婦関係、師弟関係、雇用関係などにおいては、どうしても相手を説得しなければならない場面が発生してしまいます。
そんな時も、説得ばかり繰り返していては苦しくなってしまいますので、合間合間に『説得できない苦しい気持ち』を、他の誰かにしっかりと聴いてもらうことが大切です。
気持ちがスッキリすれば、もっと良い説得方法や解決方法などが浮かんだりするものです。