子供が嫌な体験をしたときに、親が、まずすべきこと

子供が何か嫌な出来事に遭遇してしまったことを、その子供の親が知ったとします。
そのとき、親がやりがちな対応として、次の4つが挙げられます。
- 出来事を無かったことにする
- 失敗で終わらせずに、成功することで事態を好転させようとする
- 子供に同じ出来事を体験させないように、周りに働きかけ改めさせる
- 子供に同じ出来事を体験させないように、子供の行動を改めさせる
上の4つの分類による対応は、いずれも意識の焦点は『出来事』に向いています。
- 起こってしまった出来事
- 今後起こるかもしれない出来事

そして、子供の気持ちには、ほとんど意識が向いていませんし、何の対処もしていません。
つまり、子供はつらい気持ちのままです。

ところが、親は、「子供のために、自分は適切なことをした。そして、自分の対応によって、問題は解決した」という意識になっていることが多いのです。
また、そんな親を見て、子供も、「親は自分のためにやってくれた」、「それは、ありがたいことだ」と頭で理解します。
実際は、悲しい気持ちはこのままです。
しかし、このような対処をする親には、それ以上のことは望めませんし、そんな傾向を持つ親に育てられた子供は、「自分が安心になるために、親に本当にしてもらいたいこと」というのは、マヒして分からなくなっています。
ですから、そんな子供が考えうる最善の対処ををとってくれたことに対して、『解決した』とか『自分のためにしてくれた』という理解から生じる少しの安心感を心の中で膨らませることによって、自分の悲しい気持ちを覆い隠そうとします。
一見、苦しい気持ちは回復したようにも見えますが、実際は、あまり変化していないのです。
つまり、出来事に対して、何らかの対応をしたところで、子供の心は救われないのです。
親がまずすべきこと
では、どうすれば、子供の心は救われるのでしょうか?
それは、何度も説明していますが、
- まず、十分時間をかけて、つらい気持ちになった子供を、ただ、気持ちを聞きながら抱きしめる
ということです。
解決策を考えてはいけません。
解決策を考えてしまうと、この対処は失敗に終わる確率は恐らく100パーセント近くなると思います。
(この対処方法のコツは、感情的になった子供との関わるコツ(サイト名 『 子育てと解釈 』 )を参考にして下さい。)
そうしていると、割と短い時間で、子供らしい笑顔が戻ってきます。
もし、解決策を考えるとしても、それからです。