不快を浄化する二次的体験と、不快を強化する二次的体験

不快な感情を浄化する二次的体験
不快な感情を浄化する二次的体験は、ただ、気持ちを聞きながら、抱きしめてあげることです。
不快な感情を強化する二次的体験
不快な感情を強化する二次的体験は、自分のつらかった経験の話をしたときに、相手があまり話しを聞かずに、次のような対応をとることです。
(※理由は別途説明しますが、特に、小学校入学前は、避けた方が良いと考えています。また、小学校よりも大きくなった子供に、このようなコミュニケーションをとっているとしたら、おそらく、小学校に入学する前も、同様の対応をとっていたと推測できますので安心はできません。)

これらは、自分がつらいと感じる体験をすると、
- 「つらい」と感じると、その後に、そう感じたことやそう感じる経験をしたことを責められて、もっとつらい体験をする
- それを解決するように、失敗したことを反省し、やり直すこと迫られる
- 次に成功するというアドバイスを受け入れ、次は成功することを約束させられる
といったことを意味します。
そんなことを想像すると、その後に、心の安らぎなど訪れるとはとても思えません。
そこで、次のような誤った暗示を与えられることになります。
- 一旦、つらい気持ちになってしまったら、その気持ちを楽にする方法などない
そのようなコミュニケーションが繰り返されると、
- 「つらい気持ち」になってはいけないから、失敗することは許されない
- 「つらい」を楽にすることなどできないのだから、失敗しても「つらい」と感じてはいけない
といった暗示が、無意識の中に植えつけられてしまいます。
ただ、親にも親の事情がある
ただ、つらくなってしまった人(子供)に対して、このようなコミュニケーションをとってしまうようになるには、事情があります。
ですから、自分がそのような対応をとりがちなことを責める必要はありません。
また、そういう行動をしてしまう人を責めないであげて下さい。
次のようなことによって、行動は自然に変わっていきます。
(それらの人を取り巻く事情についても、別途、詳しく説明します。)
- 自分の事情を理解し、自分の心を癒してあげるようにすること
- 子供の感情に対して、どのように対応すればよいのか知ること
モンスター・ペアレントなんて呼ばないで!
さて、この2種類の二次的体験のもとになる親の対応のうち、後者の対応は、
- 児童虐待
- モンスター・ペアレント
の種になります。この種がもとになって、その解決方法を子供に向けると児童虐待的な行動に陥りやすく、逆に、外に向かえば、モンスター・ペアレント的な行動に陥りやすくなるのです。
児童虐待やモンスター・ペアレントという言葉を聴くと特殊なことのように感じるかもしれませんが、後者の二次的体験につながる対応をしてしまっていることも、きっとあると思います。
モンスターペアレントや児童虐待についての詳しいことは、別途説明しますが、ここで知っておいていただきたいのは、児童虐待やモンスター・ペアレント的な行動は、そんなに特殊なことではないということです。
これらの行動に陥っている親たちも、もともとは、「自分の子供を守りたい」という純粋な気持ちだっただけなのです。
そう考えると、もしかしたら、自分も、明日はそんな風に呼ばれる行動をとってしまう恐れがあるのです。
さらに言うと、今既に、そのような行動をとってしまっているかもしれないのです。
ですから、それが特殊な人の行動であるかのように感じさせ、そして、それらの人を切り捨ててしまうような、モンスター・ペアレントとかいう言葉は使うべきではありません。
そんな言葉で一括りにして排除しようとするのではなく、それぞれの人の事情を個別に理解しようとする姿勢が大事です。
ちなみに、つらい気持ちを浄化させる二次的体験を起こさせる親の対処方法のコツは、親に与えられた最大の権利 (サイト名 『 子育てと解釈 』 )を参考にして下さい。