感覚と感情の関係

たぶん、次のような話を、一度は聞いたことがあると思います。
- 赤ちゃんには複雑な感情はなく、快・不快の感覚があるだけである
- 成長と共に、その快・不快の感覚が細分化して、複雑な感情を持つようになる
では、感覚と感情の違いは何なのでしょうか?
このことを少し考えてみます。
我が家には小学校1年生の次男がいます。
たまに、彼は、突然、「寂しい・・」といって抱きついてくるときがあります。
私から見れば、全く、寂しそうな状況ではないのにです。
とりあえず、「そうかそうか、寂しいのか・・・」と言いながらしばらく抱きしめてあげます。
でも、心の中では、「はぁ~ん・・・、ちょっと、体の調子が悪いんだな。風邪かな?」といったことを考え、しばらく抱きしめた後に、熱を計ったりして体調を確認します。
ほとんどの場合、熱があります。
また、そのとき熱が無くても、しばらくすると熱が上がってきます。
このことから、
- 体が感じる快・不快の感覚は、大人が感情と認識している感覚と似ている
- その感覚をどう解釈するかによって、感覚に関する認知が変わってくる
と考えても良いのだろうと思えます。
つまり、次のような理解が妥当なのだと考えます。
- 赤ちゃんの快・不快の感覚が、複雑な感情へと分化していくのではない
- 成長と共に、快・不快の解釈が、複雑化していく
ですから、感情を考えるときは、複雑に考えるのではなく、まず、快・不快という感覚として考え始めることが大切だと言えるのです。